詩歌の可能性をば。∞(126)大森静佳さんの短歌について。

昨日、「詩歌の可能性をば。∞(38)」へコメントが寄せられてきました。


こういうものです。「全部下手になってますね。冒涜です。」(u-mu)


それでそのブログ記事を読み返してみました。


2年前の1月11日(火)のものです。


http://seijikaraiscornucopiae.at.webry.info/201101/article_6.html



自分でもああ言わなくっても、ひどい!と思ったくらい


セクハラ発言を重ねて、悪罵のかぎりを尽しています。


傷つけてしまったみたいで、大変申し訳なく思います。



大森静佳さんは当時大学生で権威ある角川短歌賞を受賞され、天才歌人と謳われましたね。


どうしてそのコメントが寄せられたかを考えてみました。


まず、横書きのブログ記事を一読してみて、


短歌作品の表現の弱々しさといおうか、抒情味に流れるあまり余情が足りないとでも


言えばいいかしらん、そういう脆弱性が、


左から右へと読む目の動き、生理ですっぽり見えなくなっちまっている。


てっきりおれの添削した短歌のほうが全部下手か、と一瞬うたがったもんです。



クリアファイルにしまっておいた当時の添削原稿をめくり返して、


もう一回再検討してみました。縦書き原稿で、上から下へと読む目の動き、生理にしたがって、です。


大森静佳さんの短歌は、口語と文語の混淆体であるのが一目瞭然ですね。


ただ別の詠み方があるという可能性を示したかっただけで、


おれの添削した短歌のほうがすぐれていると強弁するつもりはない。



それでも口語と文語の混淆体といった体裁をとるからには、


口語でさらさらと抒情味に流し過ぎたり、


文語文体を持ち出して格調正しく見せたりする技巧の落し穴に


おれなりに危惧をもって、老婆心ながら、


第一首「友のノートに」は、第一句から第四句へ後退させ、


第二首「しずかに」、「忘れることの/あかるさに見ゆ」をひと捻りし、


第三首「雨匂うよ」、「何度も燃え尽きて」の韻律の弱さを補い、


第四首「笑おうとしていた」、「冬を告げたり」の口語と文語のバランスをとり、


第五首「を、ほぐしぬ、記憶は、並べて」の格助詞と動詞を


「が、ほぐれて、記憶を、並(な)めて」に変えてメリハリをつけたり、


詠み直して見せたのです。


第六首、第七首(ちょっと技巧を振るい過ぎたかな?)、第八首は、


読み比べて(ただし縦書きで)みれば、説明不要です。


でもくんだりのブログ記事でのセクハラ発言や暴言などは


大変申し訳なく思いますので、


この場を借りてお詫びいたします。


大森静佳さんは有望な歌人だと思いますが、


ただ口語と文語の混淆体にそれなりのリスクがあり、


それへの自覚をしっかりと持てればもっとすごい短歌作品が生まれるのではないか、と


思っております。



以上のおれの危惧にまるで応えるかのように、


最近の短歌時評が、素晴らしい歌人ふたりを紹介してくれました。


2013年4月22日(月)付朝日新聞朝刊紙上の


東直子さん『短歌時評 軽やかさから陰影へ』です。




千葉県生まれの36歳の内山昌太さんの二首。


四階の窓のむこうに老人の気配の綿毛ひかりつつ浮く

自販機はしろく灯りて並びおり生まれすぎたる人々のため



北海道生まれの29歳の山田航(わたる)さんの二首。


僕らには未だ見えざる五つ目の季節が窓の向うに揺れる

世界ばかりが輝いてゐてこの傷が痛いかどうかすらわからない



素晴らしい!おれなりの口語と文語の混交体への危惧をすべて吹き払ってくれた出来栄えです。


そして東直子さんがこう言っている。


「内山は基本的に文語文体、山田は旧かな表記である。それぞれ短歌が培ってきた抒情への信頼があり、
90年前後のニューウエーブと呼ばれた軽やかな口語短歌に比べて、伝統回帰的な作品とも言える。しかし、
内山の


「お魚のように降るはな 一生の春夏秋を遊びつかれて」


の「お魚」という語の置き方は口語短歌を通過して得たと思われるし、山田は


「いつだつてこころと言葉を結ぶのが下手だね どうしても固結び」


とニューウエーブ以後定着した話し言葉で生き辛さを読む。」




コメントを寄せてくださったu-muさん、お分かりいただけましたか?


同上のふたりの歌人は、おれが大森静佳さんの短歌に持った不満や疑問などに


お見事というほかない答えを示して下さったのです。


ですから、嬉しくてその短歌時評という記事を切り抜き保存しておきました。


「全部下手になってますね。冒涜です。」そうかなぁ?


冒涜という言葉は、なんせ性格の悪いクソオヤジのセクハラ発言や暴言などを指しているのなら、


いさぎよく認めて、この場で深くお詫びいたします。


でもおれの鑑賞眼や添削などは、「まだ上には上がある」と可能性を示すためであって、


おれの方がすぐれているなんて自惚れなどがさらさらありません。


ただ老婆心からああやっただけです。


さらに忠言ひとつ。


短歌、俳句、現代詩などの詩歌作品は横書きで絶対に読んではいけない。


どうしても目が左から右へと流れがちで、作品の出来栄えを鑑賞するのに不向きです。


縦書き専用ページで読み直してみるか、プリントして紙媒体で鑑賞し直してみるか、


目が上から下へと動く縦書きで、表現内容、韻律などを鑑賞して欲しい。



失礼しました。



(*^_^*)



画像



この画像は、一度失敗して工夫し、おいしく仕上がった豆乳カルボナーラです。



(*^_^*)


















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