メディアリテラシー‥詩「真善美の箱」

メディアリテラシー(Medialiteracy)という言葉がある。
さまざまなメディアの情報を、批判的な主体性をもって解読、再検証できるという意味がある。

YouTubeという黒船、おれ自身の創作活動と世間の無理解と冷淡さ、マスメディアの構造的ひずみなどから、ネットは使い方しだいでメディアリテラシーの強力な武器になりうるのではないか、と思えてくるね。

とくに、マスコミの王様であるテレビの優位性が、動画投稿サイトでゆらいでいるようだね。
テレビ批評で卓抜なコラムを書き続けて、惜しくも夭折されたナンシー・関さんがいたっけ。

おれがテレビについて、次のような詩を書いたよ。

まだ拙いのですが、どうぞ。


真善美の箱

今どき電波の守り人がいるかしら。
その箱を毎朝つけてみると、
鳥のさえずりをかき消す声が
こう言っている。

おいしい話があるよ。
その箱にすっぽり入ってしまえば
嘘が真、悪が善、醜が美に
成り変っちゃうんだ。
えっ? 信じていただけないですか。

いえ、この電波は
政府のお墨つきですからご安心を!

おなじ箱でもバカを
おっしゃらないで下さい。
写しえがこんなに出回ってるので
ございますから、
いまさらありがたみが薄れてしまって
自然のいきおいですがね。

いいですか。
悪人がのこのことこの電波を
占領してのたまわることを
ご想像下さい。
政権が変わるときはいざ知らずですがね。

全幅の信頼をたまわって下さい。
この箱に入ってしまえば
比類なくもうかっちゃうんですから。
ほかの写しえは薄利多売でトントンが
やっとのことですよ。

この箱の効能はすごいですよ。
どんな悪人も善人に、
ニセモノも本物に、
中味の薄っぺらなものも厚いものに、
口先達者も有言実行に、
どんな雑魚も大物に、
力のないものも力のあるものに
映って、感動を呼び起こせますから。

どんなにしらじらしい話も
涙ぐましい話に聞こえますから。
ほんとうに、この箱の効能は
きりがありません。
体も心もともにハッピーになれますから、
神棚さえも無用ですよ。

どうして信じていただけないですか。
国民の知る権利に骨身を惜しまず
みなさんの知りたいことを
寝る間を惜しんで知らせているのに、
そっぽをむかれるのですか。

そうですか、わかりました。
お気に召さなかったら
そこの、リモコンをワンタッチすればいいです。
ほかの番組に鞍替えされても
みんなは同じなんですよ。

この箱の効能が絶対にぐらつきません!

こんなおいしい話がありませんよ。

見たくないと仰ったらもうしかたがないですね。
こうなったら夢をうんと見せましょう。
この箱にすっぽり入ってしまえば
貧乏人がお金持ち、きたないがきれい、
あさいがふかい、に
成り変ってしまいますよ。

何をおっしゃるですか?
その箱を一歩出ればただの玉手箱の煙ですって。
分かりません!

電波が止まったら砂嵐ですが。

やはり今どきの電波の守り人なんかいない。
その箱を消したら
鳥のさえずりが大きく
窓ガラスをゆさぶってきた。

画像


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