半年ぶりに長詩「同衾異世界」全文再掲!

本当のところ、わが執筆活動歴で重大な節目となった


この長詩「同衾異世界」を詩集という形で上梓したいと切望していますけど、


なんかそうは問屋が卸せないみたい。


だって昨日、ふとしたことから「長詩」をググってみたら、


なんと!


そのいきさつを折りしもつぶやいたのを転載しましょう。



「いいね♡ピノコちゃんの今月の写真スライドショーをぼんやりと見られて。おまえは本当にいい彼女だよ!ゲーテの「ファウスト」に想を得て、おらなりに書いた驚倒すべき長詩「同衾異世界」はね、なんと「長詩」検索件数32,100,000のトップページ!全文を削除したのは残念だがね。」


「単身者の単性生殖、ハグタイム、夜にしか立ち現われない夢の女性、加速度的成長、‥いろんな隠喩、時に散文詩も入り乱れての韻文、寸止めの呼吸での詩的余響、スケール感と深みのあるプロット、そして何故朝になると消失するかの理由が明かされる戦慄的な結末。そして(続)」


「(承前)「闇の中で見慣れていたあの女性は光をまとって/さらなる混乱を」という表現は、まさしく「闇は混乱、光は秩序」といった欧米文学の旧来の価値観に衝撃を与える、21世紀文学の新たな方向性を示しえた詩句として、記憶されるのじゃないでしょうか、と自惚れておりますぅ♡」


「長詩「同衾異世界」の成果を受けて、数年前も放置してきた幻の長詩「どんづまりの理由」の最終推敲と公表、韻文から散文へシフトして14年ぶりの小説家復帰をはたして、驚異的ペースで1作ごとに変幻自在する5作の短篇小説を書いてきたね。うん♡何やら歴史の流れを感じるなぁ、ウソ!?」


「ね、ボルヘスちゃん♡こう言えば激怒されるかも知れへんが、あんた、短篇小説の作中人物への最大限の賛辞として「ゲーテみたいな人だ」と言ったね。21世紀は「唐井誠二みたいな人だ」と音楽・演劇・文学にまたがる大天才芸術家を形容する言葉が流行るんじゃないでしょうかね。素敵な妄想っ♡」



今日なんか、「長詩」をググってみると、


28,300,000件数の第1位にあがっちゃった!



気が進まないがね、


暫定的に全文公開をしましょう。


そんな大変な検索件数を見ると、


どうやら海外の日本文学研究者、訳者たちがかなりの割合でまぎれこんで、


「日本文学どころか、21世紀世界文学の新たな方向性を示す長詩だ!


20世紀のエリオット『荒地』に匹敵する傑作だっ!」と


衝撃を受けてる、って、ダハハハ♡おらが妄想でちゅぅ♡


そーそー、妄想でちゅね。


(*^_^*)


おらが身勝手に過ぎ、身の程知らずに過ぎる妄想に


いやいや背中を押され、


半年ぶりに長詩『同衾異世界』全文を限定期間で再掲してあげまちゅることに


しちゃいました。


うん、おまけに


最後に怖~い画像を添えといてね♡



(0^0^0)


☆☆☆☆




 同衾異世界



単身者はいまだに彼女を持たないが
ある日をさかいにハグタイムを持つことにした
理由はどうってこともないし
不眠症ぎみなので友だちの
ぬいぐるみを抱っこすればよく寝つかれると
いう言葉にヒントを得て
かと言って抱っこするものが見つからなくて
というよりはいい年なので
恥ずかしくてとりあえず枕を相手に
ハグタイムをしてみた ――気持ちよく
寝つかれた

寝違えになると困るから
枕を元に戻して空気を相手に抱っこし始めた
ダッチワイフ? 性欲よりは不眠を
何とかしたかっただけだ

単身者の生活に変化が明らかに起きた
まだ見ぬ恋人のイメージが不明瞭でも
抱っこする何らかが両肘の間にあれば
ひたすら待ち焦れ寝返りを何度も打ち
のたうちまわりながら夜をスキップしてくれる
時間の飛躍が遅かったのが
――待ち時間がもたつくものを
毎夜待ち遠しかったものが早足で来てくれる
ようになってきた ために
待たなくていい だからすやすやと寝つける
空気相手のハグタイムがそれなりに
効果をもたらしたと言える

社会生活も順調に進み
頭が鈍ることもなく てきぱきと仕事に励み
目立ってミスが少なくなって行った
ありがたい健康生活が職場の査定を上向かせ
単身者に空気相手のハグタイムの効用を
見直させた ――しかし空気が相手ではなかった

人間の五感では捉えきれぬものを
単身者が抱っこして 鳥が卵を温めるように
孵化させ 空気を相手にキスしたつもりが
唇の形状をふやふやとかたどり
空気を両手でしっかと抱きしめているつもりが
いつのまにか胴体の触感をとらえ
 ――誰を抱きしめているんだ?
 この手触りは何だ? でも安眠の
 妨げにならないならば何でもいい
目を閉ざしたまま時間のスキップに
身をゆだねてハグタイムを止めなかった

彼女は と言っても蓑虫みたいなものだった
あまりにも生々しい肉感 自分ひとりだけの
息づかいが双手に別れ 違うリズムとなって
跳ね返って 二の腕にちくちく刺す異物を
感じたので ふとしも瞼を開けて直視した

家じゅうに樹木の葉や枝などが転がって
いようもないはずで ――蒲団に自分のほかに
誰かがいる感覚は間違いようもないはずだが
安眠が妨げられるほどではなかった
単身者は何故彼女と決めつけたかの根拠は
蓑虫が嫋々(じょうじょう)たる唇を持ち
両足に搦められたもう一組みの両足であり
顔は蓑らしいマスクで覆われて見えなかったものの
キスすればちゃんと返ってくる反応は
羞らいに満ち もの欲しげでもっと唇を求め
男性を欲しがっているふうだったから

夢の中だろうと軽い気持ちで寝ついて
目覚めてみると自分のほかに誰もいなかった

あくる朝に夢と片づけるには下半身が
いやに悩ましいしこりを残され
またあくる晩に性処理ですますには
下半身が悩ましくなさ過ぎるしこりを残され
そのどっちつかずの感覚に不安がってきた末に
単身者はこうも思い直した
 ――おれの娘だ ほかにその可能性があるか?
 あのキスは父親と交わすやつだ
 不眠をまぎらすために設定したハグタイムが
 とんだ副作用をもたらしたものだ
蒲団の中で自分の分身を抱っこして彼女の
好きなようにさせてみた どうせあくる朝に
消えてしまうだろうからとたかをくくった

女性ならば箕をかぶって一生を終えるはずだったが
彼女は男性そのままに成長してきたのだ
首っ根に回ってきた二の腕をほどこうにも
箕の袋があちこち破れはてて蛹(さなぎ)から成虫していく過程の
真っ只中のように 思春期から成人へと大きくなるため
 ――今抱きしめているのは娘ではなく
 おれを狂わせる女性に成長していくものなのかい?
 冗談じゃないっ! 眠らせてくれ
手を振り払ったとたんに いかなる抵抗が
すべて眠りに化したように彼女が手をすぼめてきた

ハグタイムが幻の成長しゆく女性を相手に抱っこする
羽目に陥ってしまった

正常なら― 単身者の精神状態と社会生活が
そう呼ばれるなら はたしておのが私生活は
風俗店に通うくらい淫靡な秘密を孕んでしまったこと自体
常軌を逸してしまっているのではないか?
異常だったら― すでにハグタイムがそれじゃないか?

それで単身者は両腕を思いきり伸ばして
わざわざ枕辺から夜気に当たらせて
肩から冷えこんでくるのもかまわなかった

寒いよ 私を暖めてくれない?
彼女の初めて聴く声に目を見開いたら
蛹(さなぎ)から成虫してきた というよりは
成人へ脱皮する前の殻を破って生まれ出た
というにしては 映画で見覚えのあるシーンみたいだ

深刻な事故が起きて巨大なフラスコが破れ
大量の羊水が外にこぼれ出て人工的に早い成長で
造られたクローン人間の成人女性が裸体のまま
外に抛り出されて何の防御する術もない赤ん坊で
 ――成人赤ん坊 と呼べば的を得てるかも
 じゃあ おれが彼女を守らなくちゃダメなのかい?
繭の感触ごしにぬらぬらとしたもの悲しげに
見返す彼女の眼差しに わずらわしく思うとなく
枕辺に伸びきった両腕をひっこめて抱擁の姿勢に
戻した すると少女期に特有の声が舌足らずと
相俟って 不気味な混乱をあくる朝に残してくれた

起きあがってみたが自分のほかに誰もいなかった
睡眠時間が足りているので朝の儀式を
ひと通りこなしていくうちに何の異常も認められなかった
 ――ただ彼女の舌足らずな言葉が胸にずっしりと
 まるで肺が押し潰されたみたいに いやな感じで
 呼吸が一定しないふうにわだかまっていた
もっと抱いてくれなきゃ私が充分に育ってこないのよ
あなたの安眠の邪魔にさえなければいい 私の願いが
果たされるある時期まで 私の成長があなたなしでは
ダメなのよ お願い

社会生活も順調に進み
頭が鈍ることもなく てきぱきと仕事に励み
 ――表面上はそうなんだが 職場の成績に
 影響を与えるほどでもなさそうだ
 いってみれば彼女は鬼の落とし子だ

単身者はいまだに彼女を持たないが
ある日をさかいにハグタイムを持つことにした
理由はどうってこともないし
不眠症ぎみなので友だちの
ぬいぐるみを抱っこすればよく寝つかれると
いう言葉にヒントを得て
かと言って抱っこするものが見つからなくて
というよりはいい年なので
恥ずかしくてとりあえず枕を相手に
ハグタイムをしてみた ――気持ちよく
寝つかれた

そのはずがいい年こいたおれの精力減衰と
直交してかけ離れる彼女の成長がめざましかった



【後記・2013年5月21日(火)付】


全文をご閲覧に供する期間が充分に経ちましたし、


韻律と表現の按配の巧みさを知らしめすべく、ほぼ3分の1ほど残しながら、


全文を削除させていただきました。


この長詩は大変大変、全世界的に衝撃を与えたみたいで、


知名度が異常にあるらしくって、


「長詩」をググれば相変わらず不動の位置を占めていますから。


お断りまで。


(*^_^*)





画像




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